狂えてしまえれば楽だった。
いい子を演じるしかなかった。
いじめられるのは恥ずかしくて、ばれないように毎日学校に行った。
普通だと思われたくて必死で演じていた。
だけど普通を演じた結果、普通じゃない部分を隠せないと失望された。
自分を安売りした。
自分を大切にするということを知らなかった。
なんでもさらけ出して、言わなくていいことまで言った。
理由なんてなかった。
聞かれたから答えただけだった。
だけど、あなたたちには知ってほしくて、聞かれてないのに色々言った。
だけど、全てを知ってもらわなくてもよかったのかもしれない。
私は恥ずかしい。
なんて思われてるか分からなくて、怖くて、もうどんな顔して会えばいいのか分からない。
だけど、普通を装うことはもう出来ない。
表では普通を演じてきたから、あなたたちの前では狂った姿を見せた。
それを受け入れてほしかった。
だけど、狂いきれなかった。
なんてことない人間だった。
だけど、いまさらどうやって普通を演じたらいいのか分からない。
狂ったように見せても、私の痛みなど大した事ないと分かっていた。
もっと苦しんでいる人がいて、力になりたかった。
好きになってほしかった。
私は狂いきれなかった。
人と比べたら恵まれていた。
だけど、なぜこんなに苦しいのか分からなかった。
私は認めてほしかった。
承認されたかった。
肯定されたかった。
好かれたかった。
ただ話がしたかった。
それだけだった。
自分を安売りしても何も残らなかった。
安く売ってるのだから利益は出なかった。
先行投資にもならなかった。
いまはもう、あなたの助けになる力も残っていない。
だけど、赦して欲しい。
私の存在が思ったより小さくあったとしても。
受け入れて前を向いて生きていくしかない。